会社の女上司のおしりを触ってしまった

振り向いた女性の顔を見た智仁は心臓が止まるかと思ったと後に語っていた。

その女性の顔に、智仁は見覚えがあった。

智仁の会社の上司だった。

一瞬時間が止まった。
智仁も凍り付いたし、鬼の形相で振り返った女性の顔も驚きで固まったのだそうだ。

その上司は、所属する部署は違うが、智仁の6つ上の先輩で、智仁の直属の上司の女性と同期で、智仁も交えて何回かランチを食べたこともあったのだそうだ。

智仁も何回か話したことがあったが、そこまで仲がいいという間柄ではなく、会っても会釈程度の間柄だった。

それが悪い方に災いしたのだと思う。
気心してた先輩女社員であれば、胸倉つかんで、電車の外に引っ張り出すこともできたかもしれない。

もちろん警察に突き出されることも考えられるが、智仁に二度と同じことをさせないために、厳しくしかり、今回だけ水に流すということを飲みの席で厳しく言って聞かせるケースもあっただろう。

だが今回は、気心しれた間柄ではなく、顔見知りという程度の間柄だった。
そのため、その女性社員から追及されることなく、智仁もどうしていいかわからず、その場を立ち去ることになった。

本当の地獄の始まりだった。